「空を眺めていて、あるとき思ったの。
空は感情を押し込めているんだって。
日中、冷静沈着な青色を見せる空はいろんな感情を押し込めている。
紫色の迷夢、藍色の悲愁、緑色の安堵、黄色の希望、橙色の憤怒、赤色の恋心。
そんな空の感情が、夕方になってとうとう堪えきれなくなって溢れ出す……
夕焼けは空の我慢の限界、そう考えると描けないのも仕方ないなって思ったの」
振り返った彼女の後ろには空の鮮やかな赤色の感情が溢れ出して、彼女の緋色のスケッチブックや、赤みがかった髪を照らしている。
僕は、ただ純粋に、綺麗だと思った。
窓の向こうの空が、より一層赤くなった気がした。

