彼女はスケッチブックを抱えたまま、窓際に寄り、夕焼けを眺める。 「私は、夕焼けが好きなの。これ以上に美しい暖色はないと思うくらい。 それを自分の絵に表したいのに、どうしても、どうしても描けない。 色をつくれないとか、上手く塗れないとか、そういう問題じゃなくて、 なんか、こう……本能みたいなところが、空を描くのを拒むの」 彼女は一旦目を伏せ、また窓の向こうに目を向ける。