ただ愛しくて


その翌週、初めてデートというものをした。


朝から映画を見に行き、ご飯を食べ、ゲーセンで遊んでそのまま彼の家に遊びに行くというプランだった




初デートで家に呼ぶんかいと軽く心の中でツッコミをいれたが最近のカップルはこんな感じなのかとあまり深くは考えなかった





当日は久しぶりに外で遊んで少し「楽しい」と思えた

そして、彼といて楽しいと思えたことがこの時とても嬉しかった



そう思えたのも久しぶりだったので
もしかしたら本当に彼を好きになれるかもしれない




そう思っていた








彼の部屋へ遊びに行って他わいもない会話をしていた時だった



なんだか話をするうちに彼が私に触れてくる回数が多くなったように思った



気のせいかとあまり意識しないようにしていたが




『そういや湯川さん英語得意だったよね』



『まぁまぁかな、数学よりは出来る』



『ちょ、今度教えてくれねー?
まじ次の小テストやばいんだって』




『いいよ私でよければ、今度空いてる日図書館でも行く?』




『まじでー?めっちゃ助かる~』




そう言って彼が私の体を抱き寄せた

最初はふざけてるのかと思ったがなんだか雰囲気がおかしい




そんなに嬉しいのかなとその時はふんわりと思っていた





嬉しければ「喜び」「緊張」
嫌なら「嫌悪」「恐怖」


普通は何か感じるのだろうけど私は何も感じなかった


ただただ頭の中で?マークが飛び交っていた




とりあえず「あはははー」と得意の愛想笑いをし、誤魔化しながら両腕で相手の身体を押したが彼は離れようとはしなかった




『ごめん、湯川さん
びっくりしてるよね
俺ら付き合って間もないのも分かってるしもっとお互いのこと知ってからとか思ったんだけどさ、自分の部屋に好きな人がいるって結構くる・・・。
初デート記念?みたいな感じでキス、してもいい?』







そう言われて私が率直に思った感想。






あぁそっか、付き合うってこういうことだ





でもよく分からんがこれが普通なのかな


初デート記念に部屋で初キスか



こらが世のカップルたちの普通なのか





「ファーストキスは好きな人としたい」

というよく聞く女の子のかわいいフレーズも
私にとっては


「誰といつしようと、それが初めての人でも2回目の人でもすることは同じなのに」


と、ファーストキスというものに特にこだわりを感じていなかった