高校生活最初の授業は数学
でも私はその授業を受けることはなく、
1人廊下をとぼとぼと歩いている
ほんとに、なんで私が……
数分前。
帰りたいと思いながらも初日の朝っぱらから、それも1時間目を受けずに帰る勇気は私にはなく、しぶしぶ教室に戻ってきた
「お、戻ってきた
今日は帰っちゃうかなと思ったんだけど」
「帰るの期待してるみたいな言い方しないでよー。
ぐさっとくるよ」
「そんなの思ってないって〜
すなおのことだからもう帰りたいとか思ってんだろなーと思っただけ」
ドキッ
図星です。
でも悔しいから言わない。
「そういえばあんたの隣、なんか、すごいね」
あきらかに氷室くんのことを言っているのだろう
「ほーい授業始めんぞー
チャイム聞こえなかったか?
だべってねーでとっとと座れやー」
気だるそうにまた担任が入ってきた
あの人数学の先生だったんだ
なんとなく顔つきと態度的に社会の先生かと…
「あーほら先生きたよ!」
「へーへー」
そう言って片手をひらひらさせて自分の席へ戻っていく蒼空