やっぱりそうだった




上級生かな?





座ったままでもなんとなく分かるのは
背、たぶん高いだろうなってこと







「悪いな」




「え?何がですか?」




「見て見ぬふりしたいようなもの見せちまって」





「そんなこと思ってないです!
…あの」





「ん?」





「…あ、何言おうとしたか忘れちゃいました。気にしないでください」






「なんだそりゃ」










なにがあったのか。



聞きたいけど、聞いちゃいけない気がした


いや、聞く勇気がなかったという方が正しいかもしれない






「でも、なんつーか…ありがとな」








な、なんか、改めてそんなこと言われたら
なんか、照れる…







「いえいえそんなとんでもないでございますです」




「あんた絶対国語苦手だろ」




恥ずかしい…
テンパって意味不明なことを言ってしまった…






「…あ、でも!
同じ高校なら、また会えるかもしれませんね」




「だな」




なんかこの人いつもの私みたい



あれ?

そういえば私、全然知らない人と話すときいつもなら一言二言ぐらいしか話せないのに


今日はちゃんと会話できてる!




これも進歩!?
今日1日ですごく成長できたよ自分!




嬉しさのあまり思わずガッツポーズをとってしまった





「なんでガッツポーズ?」




思わずとってしまったその行動にパーカーさんは不思議そうにこちらを見つめている





「え!ああいや、あはは
こっちの話です。」




「あ、そう」







さっきの会話の流れのタイミングでガッツポーズは明らかに


『また会えるからすごい嬉しがってる』

みたいじゃん私ー!!


恥ずかしさのあまり顔がどんどん熱くなる







「顔真っ赤だけど大丈夫?」




「え!?あ、あはは
こっちの事情です。」





「あ、そう」



やばい~顔熱い…




なんかこれじゃあ
『会えるのが嬉しいっていうのがバレて恥ずかしさのあまり赤くなってる』

みたいじゃん私ー!!





あー、どんどん誤解がうまれていく〜〜




「あ、あの!」



「!?」



思いの外大きな声が出てしまい
氷室さんはビクッとしてびっくりした顔でこっちを見ている



「な、何」



「えっと、その、違うんです!」



「は?」





「いや、だからあの
たぶんあなたが思ってることと違くて」






「は?」




あぁもう、うまく伝えられない〜







「だから、あの、また会えるのが分かって嬉しさのあまりとかそういうんじゃなくて…」




「おいちょっと、とりあえず落ち着け」




「え?」




「あの、さっきから何の話してる?」




「え?」




「いや、え?じゃなくて」




「あの、えっと…」




だめだ、なんか目頭熱くなってきた