ただ愛しくて



それから少し迷ったけど
なんとかクラスまでたどり着くことが
出来た




やっぱり高校は広いなぁ





D組という札がぶらさがっているのを見ると
さっきまで平気だった緊張がまた
ぶり返してきた






「すなおっ大丈夫だよ♪」





私の心情に気づいたのか蒼空が私の背中をポンと叩いて緊張を解そうとしてくれた




大きく息を吸って…吐いて



深呼吸を3回ほど繰り返すとさっきよりも少し緊張がましになってきた





「大丈夫、たぶん誰も私たちのことなんか目に入んないから♪」




「う、うん。よし大丈夫」







ガラガラ







思い切ってドアを開けると


みんな一斉にこちらを見た



が、それも一瞬のことですぐ視線をはずし友達と話すやらボーッとするやらしだした





「ね?」




「うん、でも一瞬空気が固まって怖かった」




「そりゃやっぱみんなも緊張してるんでしょ
同中だった人同士が多いみたいだね」




だからみんなあんなに話せるんだ

なるほど






「出席番号順に座ってるっぽい
離れちゃうね、大丈夫?」





「え、あぁうん!大丈夫だよ
ありがと蒼空」





いつまでも蒼空に頼りっぱなしはだめだ

ちょっとは自立しなきゃ!




私は一番後ろの一番端の席だ



とりあえず前じゃなくてよかった…



1列ごとに男子女子交互に
並んでいるようで
となりは男の子なのはわかる




でもまだ来ていないみたいだ




優しそうな人だといいな




結局その日、式が終わっても私の隣の席が埋まることはなかった






「今日はすーの隣の人いなかったね」



「うん、そうだね」