湯川すなお 15歳



この年で既に人生に希望を持つことを諦め始めている




「すーちゃん、いい加減起きなー
初日から遅刻しても知らないよー」





………ねっっっっむい。




1階からお母さんが私を呼んでいる声がするが聞こえないふりをしてまた布団の中に潜る




「あー、起きたくないなー。」



頭上にセットしておいた目覚まし時計を手に取ってみるとセットしておいた時間まであと15分残っていた



よし、もう少し寝れる。



今の私には二度寝出来ること以上に幸せなことは無い




その小さな幸せとともにもう一度夢の中に入ろうと目を閉じた瞬間―――






「入学初日から遅刻とかやめてよ!」



なかなか布団から出てこない私からお母さんが毛布をひっぺがした




二度寝を邪魔されたこともあるがもともと寝起きが悪い私はその「鬼」に激しい苛立ちを覚えた





「い、イタタタター、オナカイタイ
これは休まないとダメなやつ」





「そんな手に引っかかるとでも思ってんのかバカ娘。早く起きなさい」






「もういいじゃん、どうせ入学式なんか校長の長ーーーーーい話聞くだけだし?」





「高校生活初日でしょ!
式くらい我慢しなさい
校長先生かて徹夜で考えたんかもしれないでしょ?
その長ーーーーーい話」



「あー、もう分かったって行きますよ!」





分かったけど、絶対に寝てしまう自信がある





「まぁ今日行っても明日行ってもどうせ中学ん時と変わんないだろうけど」




「何言ってんの!
元気なくせに入学式休む馬鹿どこにいんの!
つべこべ言ってないで、とっととご飯食べてちゃっちゃか学校行きなさい!!
あと5秒で起きろ!はい、5!4!3!に…」





こんの鬼ばばぁ!