「今日のは……」

「え?」

「今日のは葵にしかしてない」

「え?」

「わたあめ買うのも、ゆっくり歩くのも、袖を掴ますのも、全部葵にしかしてない」





暗闇だけど、紺の真剣な顔が見える。
………私にしかしてない。
その言葉を聞いた瞬間、嬉しくなった。





「聞きたいことは?」

「もう無い!終わった」

「んじゃ、帰ろ」





私も今回みたいなのも立ち上がる。
そして、私は紺の袖を掴み、一緒に家に帰った。