「……はい…」




眠いのを我慢して、車を降りる。
連れてこられたのは墓地。敷地面積が広くて綺麗なところ。




「ここ……桃里さん?」

「ほら、行くぞ」




どうしてここに連れてこられたのかはわからないけど、言われたとおりについていく。
桃里さんが止まったところは……。




『丸中家の墓』




だった。

誰かわかんない。けど、桃里さんにとって大切な人のお墓。




「ん、水上からかけて」

「わかった」




桃里さんは手際よく手入れしてる。
私は時々しか行かないし、全部パパやママに任せだからなぁ。

全てを終えた桃里さんはお墓の前で手を合わす。