「ごめんな」

俺の顔を覗き込んでいる優に謝った。


自分の機嫌で優に当たり散らしたことに

謝るしか思いつかなかった。



「ごめんな。優・・・。」


優の背中に手を回しゆっくり引き寄せるように抱きしめながら

何度もそう言ってまた涙が出た。



そう言った俺を不思議そうな目で見ながら


「ナニガァ???」と優はとぼけた顔で聞き返した。



そしてまた涙が流れている俺を見て

「マダ、イタイ??クスリ、ヌッタロカ??」

と心配そうな顔で見つめてきた。



拍子ぬけするその態度がなんとも優らしく

たった2歳の言動に俺の心は癒され

そしてその場がポワンと暖まったようだった。




俺のナイフのように鋭く冷たくなった心も

淡いピンク色に染まった証拠のように優を見る目と口元が緩んだ。