心の中にある言葉が

口ではうまく言葉に出来ないもどかしさと

口に出して言葉にすると

俺の気持ちがまた違って伝わりそうで

出来ることならテレパシーでも使って

心の言葉をそのまま彼女に伝えたい


そんな気持ちになった。


少し間をあけて、また続けた。




「優だけじゃなくて、俺を少しずつ変化させてくれたのは

ももちゃんの存在も、大きかったんだよ。」


「え・・・。あたし・・・?」

彼女の大きい瞳がもっと大きくなって不思議そうに俺の顔を見つめ返した。



「そう。ももちゃんは、店に来る女の子とは全然違って・・・なんていうか・・・


凛としてる・・っていうのかな。 

  んん。うまく言えないけど


自分を持ってて、そして、それでも、優しさがあって・・・

女らしさがあって

それで、真っすぐで、


俺みたく汚れてないそんなももちゃんが、


俺には


すごく輝いて見えたんだ。」



「あたし・・・そんないい人じゃないよ。

あたしも嘘、平気でついちゃうし。

真っすぐでもないし・・。


あたしも、優ちゃん見てると

段々大人になる度に汚くなってくみたいで


自分が嫌だった。

でも、そんな純粋な優ちゃんを見てると自分も少し、そこに近づけるような

そんな気がして・・・。」



うつむきながら彼女は自信なさげにそう言った。