彼女を前の時のように、家の近くまで送りとどけ


また優と二人、家までの道のりを運転しながら


今回の道のりが前回と違っていると感じていた。


違っているのは


優が起きていて後ろで歌詞のいまいち解らない歌を歌っている事と



俺の心境・・・。



前に彼女と食事した時のように

次の日から、嘘をつく日々を過ごさなくていいこと。



それが俺の心境を変えていた。



嘘やでまかせで塗り固められていることに重さを感じていたあの頃。


嘘が嘘を呼び、自分の生活までが、がんじがらめに締め付けられていたような生活。




本当の自分が何なのか見えていなかった自分。



何かに追われているかのように


立ち止まる事も許されず走り続けていた日々。



そんな生活を失うのが怖くて


必死に守ろうとしていた日々。


そんな、ほんの少し前の自分が



なんとなく懐かしく感じるくらい俺は身軽になっていた。