まずは、だ。

リズムを考えていくには人がどういうところにリズムを感じるかということを考えなくちゃぁいけない。

そこでまずは例文を挙げてみよう。




 カフェ・オレのオーダーを受けた俺は細心の注意を払いながらいつものようにグラスに珈琲を流し込みそこにミルクをゆっくりしずしずとそそいでいく。




この文章を何回か読み返してそのリズムをよ~っく覚えておいてくれ。

覚えたかな?

さて、じゃぁこの文章に一般的なリズムを刻んでみよう。


■例1

 カフェ・オレのオーダーを受けた俺は、細心の注意を払いながらいつものようにグラスに珈琲を流し込み、そこにミルクをゆっくりしずしずとそそいでいく。




おおよそこれが一般的なリズム、つまり『読点(とうてん)』の打ち方だな。

じゃぁ次はこれに作者流のリズムを刻ませてみる。


■例2

 カフェ・オレのオーダーを受けた俺は細心の注意を払いながらいつものようにグラスに珈琲を流し込み、そこにミルクを、ゆっくり、しずしずと、そそいでいく。



どうだろう?

違いがわかるだろうか?

例1では“俺は”の後と“流し込み”の後に読点を打っているけれども、例2では“流し込み”の後と“ミルクを、ゆっくり、しずしずと、”のところにそれぞれ区切るように読点を打ってる。

この意図は何か?

まず人は基本的に『句読点』によって自然と自分の中で“間(ま)”を取ってしまう傾向がある。

本来句読点とはそういう意図で使われるものではないのだけれど、現代においてはそういったリズムを作る意図で使うことが当たり前になってるんだ。

さぁ、それを踏まえて例2を考えてみよう。