「ごめんね!図書室の鍵は私が持ってるから先に帰っててもいいよ!」
「そんなこと出来ないよ。下駄箱で待ってるからゆっくりおいで。何かあったら連絡してね」
「うん…本当にごめ…ぎゃっ!」
春子と電話で話しているというのに、尾神くんは私をまたぎゅっと抱きしめて来る。
「どうしたの!?大丈夫!!?」
「だ、大丈夫!トイレに虫がいてびっくりしだけ!なるべく早く行くから!」
電話を切り、また尾神くんを突き飛ばそうとしても今度はびくともしない。
「は、離してよっ!」
「無理」
「ちょっ…嫌だとかそういう前に苦しいっ…離し…」
尾神くんの腕の中で暴れ顔を見上げると、尾神くんの顔が目の前に…キスされると思った私は顔を真下に向けた。
「俺の行動が読めるなんて…さすが沙世。でも…それで逃げられたなんて思ってたらまだまだ甘い」
「?」
「キスは口だけにするとは限らないだろ」
尾神くんはそう言うと、私の耳にキスをしてきておまけに軽く噛んできた。
「ぎゃーーー!何すんのっっ」
大声をあげ手を緩めた尾神くんからすり抜ける私。尾神くんはニコニコと笑っている。
「何って…キス?」
「それはわかってるっ!もうそういう事しないでよねっ!!!」
「何で?嫌なの?」
キョトンとして首を傾げる尾神くんに、私は更に声をあげた。
「い、嫌に決まってるでしょ!相手の許可なくキスするなんて…そんなのダメ!!」
「じゃあ許可取ったらしていいの?」
「…」
なんかバカバカしくなってきた…
きっと尾神くんには「普通」という言葉は効かない。私と感覚が違いすぎる。
「悪いけど俺はキスやめねえよ。だって俺らキス友だろ?」
「……」
こいつ…おかしい。絶対おかしい!
考え方おかしすぎる!
「この変態オオカミ野郎!!!」
「お、いいねその響き。ゾクゾクする」
「う…」
ダメだ。何言っても効かないよ~
「もう帰る!」
「お前が帰るなら俺も帰る」
書庫のドアを開け図書室に出ると、私はカウンターにある自分のカバンを持ち図書室の電気を消した。
「ねえ、まだ俺に連絡先教える気にならねえの?」
「ならない」
誰があんたみたいなオオカミ野郎に連絡先教えるかっつーの。
ちぇっと口を尖らせる尾神くんは、やっぱり見た目はすごくかっこよくて完璧な人だった。ドキドキしてしまう自分が本当に腹立たしい。
ガラガラ…
カチャン…
「明日また来るよ」
図書室から出て鍵を閉めると、尾神くんが私にそう言ってきた。
「来なくていいってば…」
「連絡先教えてもらえるまでは頑張る。じゃあな」
私に背を向けて帰っていく尾神くん。私はその背中を見つめながらハァ…とため息をついた。
本当になんなのよ…
どうして私なんかに構うのさ。
きっと遊んでくれそうな女の子に適当に声かけてるんだろうな。なんか女の扱いとか慣れてるし絶対そうだよね…
そうだってわかってるのになんでこんなにドキドキするんだろう…さっきキスされて噛まれた耳がまだ熱い…
私はこの気持ちを消そうと必死になりながら、走って職員室に図書室の鍵を返してダッシュで下駄箱に向かった。そして春子に何度も謝ったあと2人で下校した。
もうあのオオカミに惑わされない!
キスだってされない!!!
そう決めた!
翌日
「あれ?風邪でもひいたの?」
いつものように学校に登校した私は、教室に入るなりマスクをつけた。私が登校中にはつけていなかったマスクを見て春子は不思議そうな顔をしている。
「うん…ちょっと風邪気味で」
「そんなこと出来ないよ。下駄箱で待ってるからゆっくりおいで。何かあったら連絡してね」
「うん…本当にごめ…ぎゃっ!」
春子と電話で話しているというのに、尾神くんは私をまたぎゅっと抱きしめて来る。
「どうしたの!?大丈夫!!?」
「だ、大丈夫!トイレに虫がいてびっくりしだけ!なるべく早く行くから!」
電話を切り、また尾神くんを突き飛ばそうとしても今度はびくともしない。
「は、離してよっ!」
「無理」
「ちょっ…嫌だとかそういう前に苦しいっ…離し…」
尾神くんの腕の中で暴れ顔を見上げると、尾神くんの顔が目の前に…キスされると思った私は顔を真下に向けた。
「俺の行動が読めるなんて…さすが沙世。でも…それで逃げられたなんて思ってたらまだまだ甘い」
「?」
「キスは口だけにするとは限らないだろ」
尾神くんはそう言うと、私の耳にキスをしてきておまけに軽く噛んできた。
「ぎゃーーー!何すんのっっ」
大声をあげ手を緩めた尾神くんからすり抜ける私。尾神くんはニコニコと笑っている。
「何って…キス?」
「それはわかってるっ!もうそういう事しないでよねっ!!!」
「何で?嫌なの?」
キョトンとして首を傾げる尾神くんに、私は更に声をあげた。
「い、嫌に決まってるでしょ!相手の許可なくキスするなんて…そんなのダメ!!」
「じゃあ許可取ったらしていいの?」
「…」
なんかバカバカしくなってきた…
きっと尾神くんには「普通」という言葉は効かない。私と感覚が違いすぎる。
「悪いけど俺はキスやめねえよ。だって俺らキス友だろ?」
「……」
こいつ…おかしい。絶対おかしい!
考え方おかしすぎる!
「この変態オオカミ野郎!!!」
「お、いいねその響き。ゾクゾクする」
「う…」
ダメだ。何言っても効かないよ~
「もう帰る!」
「お前が帰るなら俺も帰る」
書庫のドアを開け図書室に出ると、私はカウンターにある自分のカバンを持ち図書室の電気を消した。
「ねえ、まだ俺に連絡先教える気にならねえの?」
「ならない」
誰があんたみたいなオオカミ野郎に連絡先教えるかっつーの。
ちぇっと口を尖らせる尾神くんは、やっぱり見た目はすごくかっこよくて完璧な人だった。ドキドキしてしまう自分が本当に腹立たしい。
ガラガラ…
カチャン…
「明日また来るよ」
図書室から出て鍵を閉めると、尾神くんが私にそう言ってきた。
「来なくていいってば…」
「連絡先教えてもらえるまでは頑張る。じゃあな」
私に背を向けて帰っていく尾神くん。私はその背中を見つめながらハァ…とため息をついた。
本当になんなのよ…
どうして私なんかに構うのさ。
きっと遊んでくれそうな女の子に適当に声かけてるんだろうな。なんか女の扱いとか慣れてるし絶対そうだよね…
そうだってわかってるのになんでこんなにドキドキするんだろう…さっきキスされて噛まれた耳がまだ熱い…
私はこの気持ちを消そうと必死になりながら、走って職員室に図書室の鍵を返してダッシュで下駄箱に向かった。そして春子に何度も謝ったあと2人で下校した。
もうあのオオカミに惑わされない!
キスだってされない!!!
そう決めた!
翌日
「あれ?風邪でもひいたの?」
いつものように学校に登校した私は、教室に入るなりマスクをつけた。私が登校中にはつけていなかったマスクを見て春子は不思議そうな顔をしている。
「うん…ちょっと風邪気味で」



