楽しそうに男友達と話している尾神くんをチラッと見ると、また胸がドキドキする…
本当に…今日の放課後も図書室に来るのかな…
そして放課後
HRが終わって春子と図書室に行き、2人でカウンターに入って昨日と同じ作業。…といっても話してるだけだけどね(笑)
春子と楽しく話しながら、時々目が行くのは図書室の一番奥のあの場所。今いるカウンターの中からでは、昨日のあの場所に尾神くんがいるのは確認出来ない。
HRが終わってから、特に何も話さないまま尾神くんは教室から出て行ったけど…先に図書室に入ったのかな?
今のところ、尾神くんらしき人が図書室に入って来た様子はないし…
って!なんで私があいつのことこんなに考えなきゃなんないの!?
これじゃまるで私があいつを待ってるみたいじゃん!
やめやめ!
しかし考えないようにしようとすればする程尾神くんのことを考えてしまい、昨日はあっという間に感じた時間が今日はなんだか長く感じた。
「もうすぐ16時になるね。昨日は沙世が返却した本を戻してくれたから今日は私がやるね」
え…
春子はそう言うと、返却boxに入った本を抱えた。
考えてなかった…
私が返却された本を戻す作業をしない限り、あの奥の場所に行く理由がないんだ。何にも用がないのにあそこに行くなんていくらなんでも不自然だよね。
ま、まぁいいけど!
尾神くんとちゃんと約束したわけじゃないし、それに何で私がわざわざ行かなきゃいけないのよっ
「お願いね!じゃあ私は戸締りしちゃうね」
…と、明るく振舞ってみたけど…やっぱり気になる。
私は窓の鍵を閉めながら、かなり不自然に窓から遠く離れた奥の方を見る。
ここからだとちょうど見えないな…
どうしよう…一応いるのかだけでも確認してもいいのかな。本当に待ってたとしたら、もう図書室閉めるし声かけた方がいいんじゃ…?
「沙世?」
「うわっ」
後ろから春子に話しかけられて、びっくりして声をあげてしまう私。
「窓の鍵閉め終わった?」
「う、うんバッチリ!あとは書庫だけ」
「そっか。もうちょっとで終わるからカウンターにいて」
春子はまだ何冊かの本を持っていて、キョロキョロと本棚を見ていた。
「ねえ春子!あの奥の方って見た?」
思わず聞いてしまった…私のバカ…
「奥って…文学全集の棚の方?見たけど…」
「誰かいなかった?」
「へ?いなかったけど…何で?」
いなかった…んだ…
そっか。
…嘘つき。
「沙世?」
「え?あーえっと…昨日あの辺りでイチャイチャしてるカップルいたからさ」
「マジ?うっざー…もしどっかにいたら、もう図書室閉めるって声かけとくよー」
嘘ついてしまった…ごめんね春子。
若干しょんぼりとしながらカウンターに戻った私は、図書室の鍵を持ってカウンター後ろにある書庫の部屋へ向かった。ここは歴代の学校の資料があるところ。
生徒や委員会や先生達も使うので、図書室を開ける時は必ずこの書庫の部屋も開けることになっているらしい…
私は開けっぱなしになっていた書庫のドアノブを掴み、ドアを閉めようと手前に引いた。その時…
グイッ
「きゃっ……なっ!」
書庫から突然腕が伸びてきて、私の手を掴むと部屋の中へ強引に引っ張られた。
な、なに!?もしかして幽霊!!?
それとも不審者?
「や、やめっ…………う゛っ」
大声を出そうとしたら、突然大きな手が私の口を覆った。
本当に…今日の放課後も図書室に来るのかな…
そして放課後
HRが終わって春子と図書室に行き、2人でカウンターに入って昨日と同じ作業。…といっても話してるだけだけどね(笑)
春子と楽しく話しながら、時々目が行くのは図書室の一番奥のあの場所。今いるカウンターの中からでは、昨日のあの場所に尾神くんがいるのは確認出来ない。
HRが終わってから、特に何も話さないまま尾神くんは教室から出て行ったけど…先に図書室に入ったのかな?
今のところ、尾神くんらしき人が図書室に入って来た様子はないし…
って!なんで私があいつのことこんなに考えなきゃなんないの!?
これじゃまるで私があいつを待ってるみたいじゃん!
やめやめ!
しかし考えないようにしようとすればする程尾神くんのことを考えてしまい、昨日はあっという間に感じた時間が今日はなんだか長く感じた。
「もうすぐ16時になるね。昨日は沙世が返却した本を戻してくれたから今日は私がやるね」
え…
春子はそう言うと、返却boxに入った本を抱えた。
考えてなかった…
私が返却された本を戻す作業をしない限り、あの奥の場所に行く理由がないんだ。何にも用がないのにあそこに行くなんていくらなんでも不自然だよね。
ま、まぁいいけど!
尾神くんとちゃんと約束したわけじゃないし、それに何で私がわざわざ行かなきゃいけないのよっ
「お願いね!じゃあ私は戸締りしちゃうね」
…と、明るく振舞ってみたけど…やっぱり気になる。
私は窓の鍵を閉めながら、かなり不自然に窓から遠く離れた奥の方を見る。
ここからだとちょうど見えないな…
どうしよう…一応いるのかだけでも確認してもいいのかな。本当に待ってたとしたら、もう図書室閉めるし声かけた方がいいんじゃ…?
「沙世?」
「うわっ」
後ろから春子に話しかけられて、びっくりして声をあげてしまう私。
「窓の鍵閉め終わった?」
「う、うんバッチリ!あとは書庫だけ」
「そっか。もうちょっとで終わるからカウンターにいて」
春子はまだ何冊かの本を持っていて、キョロキョロと本棚を見ていた。
「ねえ春子!あの奥の方って見た?」
思わず聞いてしまった…私のバカ…
「奥って…文学全集の棚の方?見たけど…」
「誰かいなかった?」
「へ?いなかったけど…何で?」
いなかった…んだ…
そっか。
…嘘つき。
「沙世?」
「え?あーえっと…昨日あの辺りでイチャイチャしてるカップルいたからさ」
「マジ?うっざー…もしどっかにいたら、もう図書室閉めるって声かけとくよー」
嘘ついてしまった…ごめんね春子。
若干しょんぼりとしながらカウンターに戻った私は、図書室の鍵を持ってカウンター後ろにある書庫の部屋へ向かった。ここは歴代の学校の資料があるところ。
生徒や委員会や先生達も使うので、図書室を開ける時は必ずこの書庫の部屋も開けることになっているらしい…
私は開けっぱなしになっていた書庫のドアノブを掴み、ドアを閉めようと手前に引いた。その時…
グイッ
「きゃっ……なっ!」
書庫から突然腕が伸びてきて、私の手を掴むと部屋の中へ強引に引っ張られた。
な、なに!?もしかして幽霊!!?
それとも不審者?
「や、やめっ…………う゛っ」
大声を出そうとしたら、突然大きな手が私の口を覆った。



