オオカミくんと秘密のキス

ガチャ

キィ…


緊張しながら凌哉くんがゆっくりと開けるドアを、後ろから見る私。






「入って」

「うん…お邪魔しまーす」


部屋に入ってみると驚いた。私は部屋中を見渡して口をポカーンと開ける。



広々としたその部屋はシックな家具ばかり置かれていて、一言でいうとかっこいい!そんな部屋だった。

物は少なくシンプルでホコリどころか、チリ一つない。





「適当に座って」

「う…うん」


私はとりあえずベットの横にあるガラステーブルの辺りの床に座った。





「きれいにしてるね…」


私の部屋よりもきれい。…この部屋は物が少ないからスッキリしてて余計にきれいに見えるんだ。

ここを見てると、自分の部屋にはどれだけいらないもので溢れているのかがよくわかる…





「いつもはもっと散らかってるけど、お前が来ると思って掃除しただけだよ」

「そうなんだ…」


いや。絶対いつもきれいにしてるはず。

凌哉くんは潔癖症だもん…






「なんか飲む?」

「あ、うん…ええっ!」


凌哉くんはベットの脇にある小型の冷蔵庫を開ける。私はそれを見て驚き、大声を出してしまった。





「なんだよ…」

「部屋に冷蔵庫がある!」


ここはホテル!?




「まあな…小さいけど。もっとでかいのが欲しい」

「…贅沢!私の部屋に冷蔵庫なんかないよっ」


冷蔵庫は家に1台しかありません。





「最初は冷蔵庫なんかいらねえと思ってたんだけどな…今となってはやっぱりあるなら使うし、部屋にあるのは便利かなって思うよ」

「す、すごい…」


やっぱここの家は一般とは少し違うわ…





「ん」

「ありがとう」


凌哉くんからペットボトルのお茶を受け取り、フタを開けて一口飲みながら部屋をキョロキョロと見る。





「さっきから見過ぎじゃね?面白いもんなんかねえよ」

「そうじゃなくて…ただ見てるだけだよ!ずっと凌哉くんの部屋に来てみたかったし」


ちょっと夢が叶って嬉しいくらいなんだもん♪

彼氏の部屋は誰だって行きたいよね。







「ふーん…」

「なに?」


意味深な目で私を見る凌哉くんに、私は問いかける。





「俺はどっちかって言うと、お前が持ってる箱を見たいんだけど…」

「あ…」


ペットボトルのウーロン茶の蓋を開けて口をつけながら、凌哉くんは私の隣に置いているプレゼントの箱を見つめる。







「気づいてた…?」

「当たり前だろ」

「…だよね」


向こうからプレゼントのこと振ってくると助かるなぁ…

自分からきっかけを作るのって苦手だから。








「ごめんね。ラッピングが…」


雨でよれよれのシワシワになってしまっているプレゼントの箱を、私は凌哉くんに控えめに渡した。