色恋 〜Colorful Loves〜

テレビ画面を睨みつけながら、そんなことを考えて鬱屈としていると。




「………クリームソーダ」




いきなり、隆也がそんなことを呟いた。



驚いて、私は隆也に目を向ける。




「………は? なんて?」




隆也がまっすぐに私を見ていた。


こんなに真正面から、真近に隆也の顔を見つめたのは、ひどく久しぶりな気がした。




「クリームソーダ、飲みたいな」




隆也がぽつりと、でもはっきりと言った。



どうやら、私の聞き間違いではなかったらしい。




「………なに? なんなの、急に」



「いや、なんかさ、久々に飲みたいなって、急に思ったんだよ」



「………へえ」




また、我ながら素っ気ない返事になってしまった。



でも、隆也がどういうつもりなのか分からなくて、私は黙りこんでしまう。