色恋 〜Colorful Loves〜

保育園に着いて玄関から顔を覗かせると、先生が雄介を呼んでくれた。




「ママー、おかえり!」




ぱたぱたと駆けてきて、勢いよく私の腰に飛びつく雄介。



お日さまみたいに明るい笑顔。




「ただいま! 雄介」



「おしごとおつかれ、ママ!」



「ふふ、ありがと!」




この瞬間、いつも、本当にこの子を生んでよかった、って思う。




幸福感に浸りながら雄介を抱きしめ、先生に頭を下げて、手をつないで歩き出す。




車に向かって歩いていると、雄介がじっと私を見上げているのに気がついた。




「どうしたの、雄介」



「ママ、なんかいいことあった?」




唐突にそんなことを言われて、どきりと心臓が跳ねた。