色恋 〜Colorful Loves〜

「車、どれですか?」




「あ、えーと、奥のクリーム色の……」




「かわいい車ですね。

お客さまにお似合いです」





長谷川くんがさらりとそんなことを言うので、不覚にも心臓がどきりと跳ねてしまった。





なんか、長谷川くんて………すごい。




こんな男の子、会ったことない。





「毎日お買い物、お疲れ様です。

お米の日なんて、大変でしょ?」





前を歩く長谷川くんが、ちらりと振り返りながら話しかけてくる。





「荷物が多くて大変なときは、遠慮なさらずに店員に声かけてくださいね」




「はい……」




「ほんとにですよ。

他の店員に声かけづらかったら、俺、夕方はたいがいバイト入ってるんで、いつでも声かけてください」




「ありがとうございます」