色恋 〜Colorful Loves〜









「んで? 自殺したいと思った理由はなんなんだ?

どうせ失恋とかだろ?


お前みたいなバカ女が死にたくなる理由なんて、どうせそういう、つまらん下らんやつなんだよ。


つーかさ、なんかつまみになるようなもん無いの?」






あたしの部屋のソファにどっかりと陣取り、勝手に晩酌を始めた佐藤は、そんな傍若無人すぎることを臆面もなく言ってきた。




あたしはムカつきつつも、急に空腹を感じて、冷蔵庫のなかからハムやらチーズやら豚の角煮やらを取り出してテーブルに並べた。






「失恋で死にたくなって、なにが悪いのよ!!


あたしにとっては大問題なの!!


つまらなくも下らなくもないの!!」






「へいへい、みーんなそう言うんだよなー、だいたい」







佐藤は適当に頷きながら、1ミリの遠慮もなくハムを5枚ほど口に放り込んだ。