色恋 〜Colorful Loves〜

私たちは、これまで一回も結婚の話なんてしたことがなかった。



そういう話をしたら、結婚を迫る重い女みたいに思われないかな、なんて不安だったから。




でも、まさか、隆也が結婚を考えてくれていたなんて………嬉しい。




私も照れ隠しにクリームソーダを飲んだ。




「あっ、そういえばさ、優花」



「うん」



「なんで俺が、クリームソーダ飲みたいなんて言ったか、気づいてくれた?」



「え?」




ぽかんと訊ね返すと、隆也は少し恨みがましそうな目になった。




「やっぱり気づいてなかったか」



「え? ごめん、どういうこと?」



「………お前って、ほんとあっさりしてるっていうか、男っぽいよな。

ま、そういうとこが好きなんだけどさ」