色恋 〜Colorful Loves〜

「これ、受け取ってほしい」



「え………?」




ぽかんと口を開いたまま、私は凍りついたように動けなかった。




だって、隆也の手の平にはーーー



銀色に輝く指輪が載っているのだ。




急すぎて、予想外すぎて、頭が真っ白だ。




「………優花?」




隆也が、思わず俯いた私の顔を覗き込んでくる。




「受け取ってくれる?」




視線を上げると、見慣れた隆也の大きな瞳に、間抜けな顔をした私が写っていた。



私はひとつ大きな深呼吸をして、なんとか気持ちを落ち着ける。




そして、「もちろん」と微笑んだ。



隆也がぱっと顔を輝かせて、私の左手の薬指に指輪をはめてくれた。