色恋 〜Colorful Loves〜

「あと、休みの日、もう少しでいいから、早起きしてほしい」



「う……ごめんね、寝てばっかりで」



「一緒にご飯たべて、たまには今日みたいに出かけたりしたいからさ」



「うん、私も」




大きく頷くと、隆也が屈託なく笑った。



そして。




「で、最後のお願いは」



「うん、なに?」




まだ他にもダメなとこあるかな。



なんだろ、料理が手抜きすぎるとか?


掃除が行き届いてないとか?



今日なら、どんなことを言われても受け入れられるかな。




すると、隆也が上着のポケットをがさごそと漁りはじめた。




「………なに、なんか失くした?」



「いや、ちょっと待って」




そう言って隆也は、ポケットから四角いものを取り出した。