色恋 〜Colorful Loves〜

たっぷりとした髭を生やしたマスターが、カウンターの中から驚いたようにこっちを見た。




「あ……すみません、騒がしくて」



「ちょっと、あまりにも嬉しくて」




二人で謝ると、マスターはにっこりと笑ってくれた。




「お望みのものがありましたか?」



「「そりゃもう!」」



「はは、仲がよろしいですね」




微笑ましげに頷いたマスターに、クリームソーダを二つ注文。




「お待たせいたしました」




ぱちぱちと泡の弾ける鮮やかな緑のメロンソーダに、淡く黄色がかったバニラアイス。


そして、きれいな赤のさくらんぼ。




「………うー、これこれ」



「待ってました〜」




私たちは顔を見合わせて、にっこりと笑った。