俺の家の最寄り駅より5駅遠い、爽太の家に向かった。
「はい、ここで朗報〜」
部屋に入るなり爽太はパチパチと拍手をする。
な、なんだ、コイツ?
「1ヶ月くらい前からかな?永倉が3年の先輩に狙われてんぞ?」
「…………………………はああぁぁぁ⁉︎」
全然朗報じゃねーーよっ!!
「ね、ねら、ねっ…狙われてる⁉︎」
誰だよそいつ!
「つーか、何でもっと早く言わねーんだよっ!」
お前はいっつもそう。
いずが文化祭委員になったってことも言わなかった。
コイツまさか…俺の敵か?
「タイミングなかったってば」
「あっただろーが!!」
言い訳が下手くそすぎんだよ!
もう本気で爽太を一発殴ってやりたい。
「…どんな奴だよ?」
「確か…文化祭で永倉が店番してるときに話しかけてた奴ら」
話しかけて…。
ふーん…。
「アイツほんっとモテるよな…」
1年のときからそうだった。
知らないところで、知らない奴らからモテる。
付き合う前なんて、俺けっこう焦ってたんだからな?
いずがモテる理由なんて簡単。
だってアイツが可愛いから…。
俺だって一目惚れから始まった恋。
そりゃあ一回見たら誰だって可愛いって思うよな?
自然な栗色にフワッとしたボブヘアーと、まん丸な目、守ってやりたくなる身長。
全部が可愛い。
でもさ、でもさ?
「俺の方が好きだし!」
なんでそんなポッと出の男が!
アイツの良さまだ知らねーだろ?
顔だけじゃねえんだぞ?

