いつだって、ヒーロー。



「……よし」


教室でつーちゃんとお昼ご飯を済ませた。


今から青くんの待つ藤棚に行く。


なんで私を誘ったかなんてわからない。


それでも行くって決めたもん。


「泉行ってら〜」


…もう、つーちゃんは軽いんだからっ!


「行ってきます!」


階段をゆっくり下りる。
床に足をつくたびにドキンと胸が鳴る。


…やっぱり緊張する。

青くん。

って呼ばないようにしなきゃ。

なんだか呼んじゃいけないような気がするから。

そんなことを考えながら下りて藤棚に向かう。
もういるのかな。


「あ…」


柱にもたれかかる青くんがいた。

大きく深呼吸をして、もう一度歩き出す。


「おっ……お待たせっ…………!」


右手をあげる。


下を向いていた青くんはパッと顔をあげて一瞬驚いたような顔をした。


「………………………ん」


すぐにニコッと笑った。


行こっか、と青くんが言って私は隣に並んで歩く。


すごく、懐かしい。
この身長差もこの距離感も。

私の歩幅に合わせてくれることも。


「どっか行きてえとこある?」


「あ…え〜っと…」


それどころじゃなくて、どこに行きたいかなんて考えてなかった。


「ほーら。これ見て考えてみ?」


ポンっと今年の文化祭のパンフレットを私の頭に乗せた。
それを受け取ってパラパラと開く。


「これ…これ行きたい!」


「いーよ」


私がたくさんの中から選んだのは…。