いつだって、ヒーロー。


あれから、北原くんと目が合う。
目が合うとニヤッと不気味な笑みを浮かべる。
その度に背筋がゾッとする。
そして、北原くんと目が合う度に青くんとも。
何も知らない青くんは、大好きな笑顔で手を振ってくれる。

私、最低だ。

青くんに嘘ついて騙して。
知った時の青くんの顔を思うだけで涙が出そうになって。

違うの。私は、青くんからのキスじゃないとダメなのに。
いつもみたいな優しいキスがいいの。

他の人じゃ絶対ダメ。

きっと青くんがキスをしてくれたら、忘れられるかもしれない。
そう思うのに、キスをされると北原くんを思い出してしまう。

"こんなの青が知ったら、青はどう思うかな?"

悲しむに決まってる。
胸が苦しいよ…。
私はあなただけなのに。

あの言葉が私を苦しめる。

私…青くんのそばにいていいのかな…。

他の人にキスされて、隠して、嘘をついた。
何も知らないで心配してくれて、笑ってくれて

キスをしてくれて。

本当にそれって青くんの幸せなの?
騙し続けても青くんの近くにいていいの?

そんなのダメだって…。

そう気付いちゃったの…。