「ちょっと風邪気味…」
こんな嘘、つきたくないなあ。
本当は私元気なんだよ?
風邪なんてひいてないんだよ?
はあ…。
教室につくと北原くんがいるんだよね?
もう、顔も見たくない。
でも学校に行く限り、見えてしまう。
怖いよ。
いつ青くんに知られるか。
青くんと一番仲良しなのは浜野くんだけど、グループには北原くんもいる。
なんで…あんなことするの…?
北原くんは青くんの友だちでしょう?
友だちが悲しむところが見たいの?
わからないよ。
「なあ、大丈夫か?今から帰るか?」
教室のドアの前で足が止まった。
そんな私を見て青くんは眉毛を下げて心配してくれる。
「だ、大丈夫だよっ!せっかく来たんだし!」
大丈夫。教室には青くんも真緒ちゃんがいるもん。
ガラッとドアを開けた。
「泉おはよ。……ってどうしたのその顔!」
さっそく話しかけてきた真緒ちゃんは、こんなのすぐに気づいちゃう。
「えへ…。ちょっと風邪気味でね。でも大丈夫だよ〜」
真緒ちゃんにも嘘つくなんてひどいな。
今すぐ真緒ちゃんに言いたい。
だけど教室にいる北原くんが怖くて…。

