もっと小声でそう言っている間にも、足音は大きくなっていく。 心臓の音も大きくなっていく。 「…田渕?」 ドキーーーーーッ!!!!! ……って、た、たぶち? 後ろから聞こえた小さな声はそう名前を呼んだ。 「…宮城?」 振り返る真緒ちゃんが呼ぶ名前を聞き、私も振り返る。 そこに立っていたのはスウェットを着た宮城くんだった。 あ…そっか…。 田渕って呼んだのは…。 「宮城も、誰かに会いに来たの?」 「…ああ。田渕に」 会いにきたんだ。 田渕さんに。彼女さんに…。