「ごめん、また今度な」
田渕に根性無しとか女々しいとか何思われてもいい。
ただヒドイことはしたくない。
「なんでよっ…」
歩き出す俺の後ろでそう泣きそうな声が聞こえる。
今振り返ると何故か、もっとヒドイ気がするんだ。
俺、お前のことまだ好きになってない。
だから何もできない。
ほんとにそんな、それだけの気持ち。
キスをしようとして、いずを思い出してしまった俺が許せないんだ。
夏祭りのあの日、女4人に呼び出されたあの日。
2度もいずにハッキリと言われたくせして
バカなんだよ俺は。
早く
1分でも早く
1秒でも早く
いずを頭の中から消したい。

