「待てよ」
グイッと腕を掴まれてそれ以上足を動かすことはできなかった。
「あ………助けなくて…いいって…言ったよ」
ありがとうが言えないなんて。
私どうかしてる。
来てくれたから、私はぶたれなくて済んだのに。
たった一言が喉に引っかかる。
「さすがにさ…この状況を助けないわけにはいかなくね?」
苦しくなるから。
辛くなるから。
「…離してっ!こんなの……田渕さんが見たら…!」
宮城くんには田渕さんがいるでしょ?
これ以上、私のことで田渕さんを悲しませないで。
「それは今関係ねえだろ!」
「関係あるよ!」

