「ヒー……ロ……」
ヒーローはなんで私が忘れようってときに現れるの?
一瞬でもヒーローの顔を思い浮かべちゃったから?
どうして走って来てくれるの…?
なんでいつも、私を助けてくれるの…?
「…ん?ひ…?」
何言ってるの?っていう顔で覗き込む青くん。
「…っ、てめえ!人殴ってただで済むと思うなよ!」
フラフラッと立ち上がった伊藤先輩は怒りに任せて腕を振り上げた。
矛先は青くん。
うそ…やだ……!
バキッ
その鈍い音は伊藤先輩が青くんのほっぺたを殴った音。
うそっ……。
なんで…やだっ…。
「…これで、おあいこだぞ?これ以上コイツ傷つけたら先輩だからってただじゃおかねえぞ?」
青くんにグイッと肩をひかれ、触れられた部分が熱くなる。
そのまま手首を掴まれて青くんが歩く方向に進む。

