「けっきょく伊藤先輩と行くんだ?」
「う、うん……」
真緒ちゃんは私を見ずに目の前の商品に手をかけながら言う。
「それで?浴衣を買いに来たわけ…」
「そういうこと…。あ!で、でもね!毎年浴衣で行ってたからね、今年だけ浴衣じゃないのって変だなーって…」
両手を振って弁護する。
伊藤先輩だから浴衣を買いに来たわけじゃなくて…。
『浴衣?あの浴衣ちっさくなったんじゃない?新しいの買っておいで』
ってお母さんに言われたから買いに来ただけ!
「ん〜。泉ちっさいからね〜。あるかな?泉のサイズ!」
いたずらっ子みたいに真緒ちゃんは笑う。
う…ちっさいかもだけど…
「サイズくらいあるもんっ!」
私も真緒ちゃんにならって、浴衣に手をかける。
どんなのがいいかなあ。
そういえば、いつも湊と買いに来て
『それはないって!絶対こっち!』
って、私が選ぶ浴衣をいつもダメだって言ってきた。
私だって真剣に選んでるのにぃ…。
「泉!これどう?」
わたしの前に現れた浴衣。
「か、可愛い…」
淡い紫色にお花柄の浴衣。
見とれちゃうくらい可愛い。
やっぱり真緒ちゃんセンスある!
真緒ちゃんについて来てもらってよかったあ。

