それもそのはず。 上様の為に、と志を掲げて京へ上った彼等が実際に行なっている大半の仕事が暗殺業。 人を斬った事がない雪にできるとは思えない。 「それからもう一つ…」 一君にしては珍しく、言いにくそうに口を開いたり閉じたりを繰り返した。 そしてそれは、雪の心臓の鼓動を大きく高鳴らせた。