また、江戸では壬生浪士組の悪行ぶりも大きく噂されていた。 壬生狼、人斬り集団など酷い言われようだ。 人一倍優しいみんながそんな事をするはずがない。 頭の中ではそう思うが、火のないところに煙は立たないと言うし…。 何よりも雪が不安に思っているのは壬生浪士組に参加した時、人を斬る事が出来るのかだ。 ダメだ、考えすぎると決意が鈍る。 「たま、これを周助先生に渡してくれる?」 たまは大きく首を縦に振るとバタバタと走って行った。 一君、いつ迎えに来てくれるの? 固めた決意が揺らぎそうだよ。