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「別に来なくても良かったのに。
お前ってお節介なんだな」
夜7時。
あたしがいるのは、早乙女くんの家の前。
夜ご飯を食べ終わった早乙女くんは、家に帰ると言うので、あたしは家の前まで送りに来たのだ。
まぁ自分の家は目と鼻の先だし。
誘拐される~とか言う恐怖心はない。
「一言余計なんだけど」
「良いだろ」
扉の取っ手に手をかけた早乙女くん。
すると、向こうから勝手に開いた。
さすがの早乙女くんも驚き、後ずさりした。
出てきたのは…女性だった。
茶色い巻かれた胸元まである髪。
お化粧の濃い顔立ち。
ノースリーブで丈の短いワンピースを着ていて、手には同じく赤い鞄を持っていた。
「…二瑚くん?」
不思議そうに首を傾げる女性。
綺麗だとは思うけど、一子さんよりは美人じゃないかな。
まぁ、あたしが何で評価しているんだって話なんだけど。


