☆☆☆





「別に来なくても良かったのに。
お前ってお節介なんだな」




夜7時。

あたしがいるのは、早乙女くんの家の前。




夜ご飯を食べ終わった早乙女くんは、家に帰ると言うので、あたしは家の前まで送りに来たのだ。

まぁ自分の家は目と鼻の先だし。

誘拐される~とか言う恐怖心はない。





「一言余計なんだけど」

「良いだろ」




扉の取っ手に手をかけた早乙女くん。

すると、向こうから勝手に開いた。

さすがの早乙女くんも驚き、後ずさりした。




出てきたのは…女性だった。

茶色い巻かれた胸元まである髪。

お化粧の濃い顔立ち。

ノースリーブで丈の短いワンピースを着ていて、手には同じく赤い鞄を持っていた。




「…二瑚くん?」




不思議そうに首を傾げる女性。

綺麗だとは思うけど、一子さんよりは美人じゃないかな。

まぁ、あたしが何で評価しているんだって話なんだけど。