「幸来先輩に悪いですから、暫くしたら僕1人で通いますよ。
今はまだ道覚えていないので、一緒に行かせてもらいますが」
ニコッと笑う早乙女くん。
…一緒に通うのか。
嬉しいのか、嫌なのか。
ん?
嬉しい?
何であたし、
嬉しいとか思っているわけ…!?
早乙女くんなんだよ?
久遠先輩じゃないんだよ?
何であたし…嬉しいとか思っているの?
あたし、今日…変だ。
変なことばかり考えてる。
早乙女くんの前で泣いちゃうし。
何も気にせず額に手を当てちゃったり。
どうしたんだろ…あたし……?
「ところで、早乙女くんがどうして家に?」
お母さんが疑問を言った所で、ハッと我に返った。


