溜息をついた俺の視線の先にあったのは、スーパーだった。
サラが万引きを繰り返し、逮捕していた場所。
俺は店内に入った。
スーパーは小さかったけど、店内は充実していた。
色々な所を歩き回った。
何か探している風を装い、監視カメラの場所をチェックした。
監視カメラの死角になる所を発見した。
売り場には、沢山の種類のガムが置かれていた。
俺はスッとガムをズボンのポケットに仕舞った。
暫く同じ売り場に立ちつくしていた。
でも、誰も来ない。
俺が万引きをしたこと、誰も知らない。
それを知った時、俺はある企みを思いついた。
困らせてやろうかな。
俺のことなんて気にせず、欲求不満を解消させる両親を。
そんな両親のオモチャと化している男と女共を。
そして、俺を殺そうとした、鏡花さんを。
イラナイ存在である俺なんだから。
何しても、良いはずだ。
困れば良い。
俺を作りだした、自分たちを恨めば良い。


