俺はサラと一緒に住み始めた。

サラは両親を亡くしてから、1人暮らしをしていた。




「なぁサラ、聞いても良いか?」

「何かしら」

「サラは何かバイトしているのか?」

「何もしていないわよ。
アタシが出掛ける所、見たことないでしょ」

「じゃあ、何でそんなにお金があるんだ……?」




サラに抱いた唯一の疑問。

それが、家に大量にある食料の山だった。

冷蔵庫に収まり切らないぐらい入る、食べ物の数々。

サラがこんなに買えるほど、金持ちだとは思えない。




「……知りたいの?」

「教えてくれるのか?」

「黙っていてくれたらね」

「誰に黙っておくんだ?」

「警察よ」

「はっ!?」




警察……!?




「アタシ、万引きしているのよ」

「万引きッ!?」

「大きな声出さないで。
壁が薄いんだから、聞こえちゃうわ」

「………」

「一緒にしない?万引きを……」