「店員さんは、自分の大切なモノを守るため、頑張って働いているんです。
その大事なものを、先輩方の万引きのせいで壊すんですよ?
先輩方が何故万引きを繰り返すかはわかりません。
理由もなく、万引きなんてしませんから。
先輩方はいずれ後悔すると思いますよ。
何で万引きなんてしたんだろうって。
何で自分のお金で買おうとしなかったんだろうって」
そこまで早乙女くんが話したところで、警察が来た。
そして、久遠先輩を含む人たちが連れて行かれた。
「久遠先輩ッ!」
パトカーに乗り込む久遠先輩の背中に向けて、あたしは叫んだ。
「あたし、久遠先輩が好きでした!
入学式の時迷子になっていたあたしを助けてくれた久遠先輩のことが。
だから、久遠先輩に憧れて、大好きになりました!
あたし以外にも、久遠先輩に憧れて好きになった人は沢山います。
その人たちのためにも、ちゃんと罪を償って出てきてください。
また…会いましょう?久遠先輩!!」
久遠先輩はこっちを向いて一瞬だけ笑うと、パトカーに乗り込んだ。
久遠先輩…ありがとうございました。
あたし、久遠先輩のこと、本当に大好きでした……。
久遠先輩に会えて、
久遠先輩と短い間だけど一緒にいられて、
あたしは、
幸せでした―――…。


