キーンコーンカーンコーン
「やばっ! 先生来ちゃうっ! また後でね、璃子!」
「うん、また後で。」
私は、相変わらず笑顔がわからないままだ。
こんなんだったら、梨湖に嫌われちゃうよ。
なんとかしないと…
ガラッ
「席につけー! 1時間目の授業始めるぞ! 今日は、修学旅行についてな。2人1組で、女子同士のグループと、男子同士のグループに別れろ!あ、修学旅行は、北海道だからなー。」
そっかー、もう、修学旅行かぁ。
グループ、組めるかな…
「璃子! グループになろっ! …いいよね?」
「うん、もちろんだよ。」
「よかったっ!」
よかったのは、私のほう。
「…全員グループになったか? じゃあ、男子グループと、女子グループで、4人組を作れ!」
誰とだろ?
「ねぇ、璃子? 梨湖は、できたら、タケシと一緒がいいんだぁ…。 いいかな?」
「うん、いいよ。」
タケシこと、新田武くんは、梨湖と付き合ってる。
すっごくイケメンだから、人気も高いんだよね。
みんな、なんで梨湖と武くんが?って噂するけど、なんとなくわかる。
私が男だったら梨湖を選ぶかもしれない。
梨湖は、そんな子だ。
でも、そんな武くんとグループ組んでるのは、相当のイケメンなんじゃ…?
「ねぇ〜、タケシ!グループ作ろっ?」
「もちろんだよ! 梨湖と一緒なんて、最高の修学旅行だな!」
「うんっ! 梨湖も、タケシとがいいっ! タケシとグループって、誰?」
「龍斗だよ。」
「り、龍斗くん!?」
思わず大きな声で叫んだ私。
あぁ…恥ずかしい。
「そうだけど…龍斗がどうかしたの?」
「いえ、別に。 なんでもないです。」
「リュート君って言ったら、すっごいかっこいいよねっ!! 璃子とお似合いだったりぃ♡」
「なっ…やめてよ。」
「…俺が、なに?」
涼やかな声で、そう言ったのは、川上 龍斗くん。
こちらも、すごいイケメン。
武くんは、かっこいい・元気系イケメンだけど、龍斗くんは、声も、全体的な雰囲気が、凛としていて、大人っぽい。
どちらも、もれなく大人気だ。
「あ、リュート君! あのね、リュート君が、イケメンだって話してたんだよっ! ね、璃子?」
「う、うん。 そうだけど?」
「川奈、本当に?」
な、なんで私に聞くのー!?
「はっ、はいっ! そうですけどっ!?」
「…変なやつ。」
…意味わからない。
でも、笑顔だし、怒ってないのかな?
「まあまあ、龍斗。 川奈、怖がってるじゃん? やめとけって。」
「こ、怖がってなんて、ないです。」
「じゃあ、敬語やめて。 武と、河中には、敬語じゃないんだろ? あと、龍斗でいい。」
「えっ?じゃあ、梨湖も、リュートでいい?」
「…いいけど。」
なんか、嫌がってる?
梨湖に言われたら、喜びそうだけど。
「り、龍斗…くん。あの…」
「龍斗。」
えっ?
「龍斗くん?」
「だーかーら! 龍斗!!」
あ、そう言う事。
じゃあ、
「り、龍斗!!」
「ん、それで、なに?」
えっと…なんだっけ?
「わ、忘れた。」
「バーカww あ、あのさ…」
「なに?」
「お、俺も、り、璃子でいいか?」
「うん、もちろん!」
「えー、璃子、いいなぁ…」
「梨湖には、オレがいるじゃん?」
「そうだねっ! タケシ!」
なんか…くすぐったいや。
これが、友達ってものなのかな。
「じゃあ、あとは、グループで調べること決めとけよ〜! 先生は、仕事するから、なにかあれば、職員室にくるように!」
先生はそう言うと、出ていった。
「てかさ〜、修学旅行なのに、調べものとか… オレ、それ旅行じゃないと思うんだけど〜」
「まぁ、タケシ、そんなかたいこと言わないのっ!」
「はーい!」
話し合った結果、私達が調べるのは、牛について。
まぁ、モーモーと鳴く、とか、適当にするらしい。
まぁ、たまには、そんなんでも、いっか。
1日中、4人で話していた。
時計をみると、もう6時。
「璃子。 送って行くよ。 もう暗いしな。」
「うん、ありがとう。」
「タケシ! 梨湖も、送って〜♡」
「あ… 今日は、ちょっと…」
「えー、つまんないの! じゃあ、1人で帰るからいいよっ! タケシのバーカ!」
梨湖…怒ってる。
武くんも、送ってあげればいいのに。
ちょっと送ってからじゃ、ダメなのかな?
「じゃあ、俺が河中も送って行くよ。」
「龍斗。サンキュ。」
「また、なんかおごれよ?」
「ああ、約束する。」
というわけで、私達は帰ることになった。