キーンコーンカーンコーン
「チャイム…鳴っちゃったな。」
「そう…だね。」
「なぁ…。 帰らねぇ?」
「…っ、うん!!」
「デートな、一応。 イヤだったら、言えよ?」
「イヤなワケないじゃん!! むしろ、嬉しいくらい…。 か、カバン取ってくるね!!」
ガラッ
「川奈。 遅刻だぞ。」
「あの、すみません。 今日は帰ります!!」
「はぁっ??」
バンッ
「璃子っ!! 待ってよっ!」
「…梨湖。」
「リュートと、帰るの? カバン、持って行ってあげなよ。 応援してる。」
えっ?
梨湖、もしかして、私の気持ちに、気付いてる?
「ずっと前から、知ってたよ…。」
「そっか。 ありがと。 じゃあね。」
「うん、バイバイ。」
タッタッタッ
「璃子。 いた。」
ドキッ
龍斗、もしかして、探してくれてた?
「行こう。 龍斗。」
「あれ? 俺のカバン? 重かっただろ? ありがとな。 今日はおごるから。」
「っ…。 うん、ありがと。」
今日、言った方がいいのかな?
「あ、あのねっ、龍斗…。」
「ん? なに?」
「…。 な、なんでもない…。」
この気持ちは、今日が終わってからでもいいよね?
そう思って、私は龍斗とのデートを楽しんだ。
「はぁ…。 こんなに遊んだの、久しぶり!」
「ははっ、俺も。」
「今日は、梨湖と武くんも、仲良くしてるよね?」
「あー、うん。 たぶんな…。 でも、河中、イジメられてるし…。 武が守るんだろうけど。」
「えっ!? …ごめんっ!」
「え、ちょっ…。 璃子!!」
私は、梨湖の元へと走った。