パンッ 今まで1度も手を出した事のなかった母が 初めて私の頬を叩いた。 「あなた何でっ……今まで頑張ってきたじゃない!!なのに何で、今更……」 それだけ言うと 母は顔を手で覆い隠し 泣き崩れた。 「ゴメンねお母さん。…でも、これが私の気持ちだから。勉強を全くしない訳じゃない。今までより、少し量を減らすだけだから」 覆われた手から漏れる 母の嗚咽。 「お母さん…ゴメンね」 私は母の横に そっとハンカチを置き 自分の部屋へと戻った…。