何度目だろう(笑) クレーンで掴んだうさぎは 見事に穴に落ちた。 「…おっっしゃあ!!見ろよ!取れたぞ綾奈っ!!」 うさぎを持ち 子どもの様に無邪気に喜ぶ明和。 …今 “綾奈”って呼んだ…――― 「ほらっ!」 明和は満天の笑顔で 私にぬいぐるみを差し出す。 「あ…ありがとう」 私のために あんなに一生懸命取ってくれたなんて… 「嬉しい…」 私はうさぎのぬいぐるみを ぎゅっと抱きしめた。