「ユキ!」
フランが慌てて私を支えてくれる。
「おお、なんだいたのか。はみ出し者の護衛隊」
「お前、いい加減にしろよ!」
フランが私を庇うようにして叫ぶ。
相手の男は、蔑むような目を向けながら唇の片方の端をあげて笑う。
「あんな、いるかいないかもわからない王子なんかの護衛、ご苦労様。俺にはまねできないねぇ。王さまの命に背いてまであんな王子守るなんて」
バカにしたような言いぐさ。
なんなのこいつ。
むかつく!
周りでは、ケラケラと笑い声が上がる。
「お前、新しく入ったんだろ?残念だったな、そっちにしか行けなくて。もう少し優秀なら王様にお仕えできたのになぁ」
ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべ私を見下ろすその男に、私の怒りは頂点に達した。


