「お前の、その漆黒の瞳も・・・綺麗だと思うぞ」






ぶっきら棒に投げられた言葉。
私は目を見開く。






「なにをしている、さっさと行け」





その次に投げられた言葉は冷たい言葉だったけれど。





「あ、はい。失礼いたします!」





心は、ほんわかと温かくなった。
部屋を飛び出し、私はにやける頬を押さえながら塔へと足を進める。




綺麗だって。
私の黒い瞳。



ウィッグの金と似合わないなぁと思ってたけど。
それでも、よかった。




我ながらなんて単純だ。