「よろしくお願いします」
緊張しながらそう言って、ノアに教えられた定位置に立つ。
窓の外からの敵も見え、扉も視界に入り、そしてレオさま自身も見える場所。
レオさまは、机に向かい、分厚い本を開いていた。
「・・・なにを読んでるんですか?」
思わず、聞いていた私。
レオさまも驚いたのか初めて視線を動かし私を見た。
「貴様に、関係ないだろう」
それでも、紡がれた言葉はとても冷たく。
またその視線は私から名残惜しさもなく通り過ぎていく。
めげない。
「読書なんて、俺、性に合わなくてあまりしたことないんですよ。でも、興味はあって。俺にでも読みやすい本ってないですかね?」