「笑顔なんて、もう何年も見ていないかな」
「何年も?でも、昔は笑ってたの?」
「子どもの頃の話だよ」
フランは、昔を思い返すように空を仰いだ。
「僕、年が近いから、よくレオさまの遊び相手になってたんだ」
「そうなの?」
「うん。その時は・・・よく笑う、普通の子どもだったよ」
そんな彼が、いつどうしてああなってしまったんだろう。
父親に愛されず、レッドアイを持つ者として命を狙われていくうちにそうなってしまったんだろうか。
そんなの悲しすぎる。
「あの瞳を持ってる事・・・後悔してるのかな?」
「え?・・・ああ、レッドアイのこと?どうかな?」
そうだとしたら、悲しすぎるよ。