「はっはっはっ!志願者と剣を交えていたんだって?」

「・・・う、フランのおしゃべり」




仕事を終え、帰ってきたレオがおかしそうに声を上げ笑う。
レオには言わないでって言ったのに。





「違う違う。俺もあの後試験を見に行ったのだ。そうしたら騒がしくてな」

「え」

「やれ、強い女が現れたとか、それが王妃だったとか、混乱していたぞ」

「あ・・・、ご、ごめんなさい・・・」




いまだに笑いの止まらない様子のレオが説明をくれた。
は、恥ずかしい・・・。


王妃だなんてばれないうちに逃げ出すつもりだったのよ。
それなのに、フランのせいで・・・。




「志願者には説明しておいた」

「説明って・・・」

「ユキは、王子だった俺の専属騎士として俺を護っていた凄腕の騎士だったと」

「ちょ、ちょっと・・・」

「でも、いい刺激になったようだぞ。騎士になって、王妃と手合せをお願いしたいとな」




ケラケラとレオが笑う。