フラれるんだと覚悟していた時に突然あんなこと言われて、私がどれだけ動揺したか。
自分の気持ちが追い付かなくて、逃げるようにして飛び出したまま・・・今に至る。



「はぁー」

「でかいため息、ほんとどうしたの?」




でかくもなるよ。
生まれて初めてプロポーズなんて受けたんだから。



「そう言えば、今日・・・隣国のお姫様来るんだよね?」

「あ・・・、知ってたんだ。うん。昼過ぎに到着する予定だよ」




レオの婚約者候補の一人。
そういう人がいるのに、私にプロポーズなんて・・・。
どうするつもりなんだろう。



「ユキは心配いらないよ」

「え、あ、うん・・・」




心配しなくても、うまく整うんだろう。




「レオさまの事、信じてたら大丈夫だよ」

「え?」




フランを見ると、フランはにっこりと笑った。
レオを信じてたらって・・・。